April 21, 2016

【書評的な】黄色いマンション 黒い猫

毎日生きているだけで色々な出来事と感情が入り乱れる。
特に、毎年四月は私は非常に調子が悪い。
身体の調子も、心の調子も。
もう何年も四月が来るのは正直嫌で堪らないのだが、
2016年の四月は案外そうでもなく、いや、やっぱり調子が悪いことも
ちょこちょことあったりするけど、例年に比べてマシな方かも。

調子が悪いと、心よりも先に身体がSOSを出すので
そういう時はとにかく自分の好きなことをする。
まぁ誰もそうだと思うんだけど。
私の場合、それは映画を観ること、そして本を読むこと、さらに寝ること。

数日前、そのSOSが発生し、一日中ベッドの中で過ごした。
「SOS!SOS!今、休んでおかないとこの四月は乗り切れないよ」
そんな言葉が、身体から心に伝わった。
絶妙のタイミングでAmazonから宅配便で本が届く。
SWITCHに連載されていた小泉今日子さんのエッセイ集だ。
これまでいろんな雑誌にキョンキョンのエッセイは載っていたけど
SWITCHの連載は未だ読んだことがなかっただけに、
とっても楽しみにしていた一冊だった。

表題のエッセイからナイフを突き刺されたような感覚。
それは、私が大好きな岡崎京子さんの漫画や短編集を読んだ時のあの感覚。
とても胸が痛いのに、そこから溢れ出るせつなすぎるキラキラした光。

この人とは共通項が多すぎる(東京ガールズ・ブラボーな憧れも含め)。

猫、両親の離婚、忘れられない手紙、
喫茶レオン、カフェ・ド・ロペ、ピテカントロプス・エレクトス、
川勝さん、大好きだったけど死んじゃったアイドル...

一人が好きなくせに、淋しがり屋という面倒なところ。
そして、淋しいということを素直に表現できないところ。

思ったよりも痛切で私は最後の書き下ろしのエッセイで涙が出た。
ちょうどキョンキョンが50歳になった日の話。
多分、私はまだ修行の途中。
修行が終わることがないのも分かっている人生の修行の途中。
これからそう遠くない日に、この最後のエッセイと同じことを体験するだろう。
とても悲しいけど。

だけど50歳になった時、同じことを思うような50歳になりたい。
なりたい、っていうか、きっとなれる。




ちなみに、書きながら気付いたんだけど、
小泉今日子さんも岡崎京子さんも
「キョウコ」さん。
(昨夜明け方まで語った友達もキョウコであった)


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